至適血圧

至適血圧は120/80mmHg 未満

至適血圧とは、上が120mmHg未満、下が80mmHg 未満の両方を満たす血圧のことです。
理想的な血圧であるような血圧の値のことを言います。

至適血圧の状態だと何が良いの?

至適血圧の状態だと脳卒中や動脈硬化など血圧が関係する病気になりにくいことがわかっています。

血圧が高くなると一般的に血圧を要因とした循環器系疾患のリスクが高まります。
そのため健康な状態であれば、血圧はなるべく低くコントロールすることが推奨されています。

血圧は低ければ低いほど良いの?

血圧が低すぎると低血圧とされ、健康状態が良好とは言えません。
低血圧は、特に目立った症状が出ないこともありますが、めまいや立ちくらみなどの症状を引き起こすこもあります。
また、低血圧の後ろに病気が控えていることもあります。

至適血圧を維持しよう

至適血圧の状態では、脳・心臓・腎臓などの臓器が、障害を起こしにくいことがわかってきたことから、1997年に米国の合同委員会によって至適血圧という血圧の範囲が設定されました。

そして、正常血圧の範囲の人よりも長寿であるとも言われています。

単に血圧が低いだけで、「病気になりにくい」「健康でいれる」「長生きできる」ことから至適血圧が維持できる健康状態を保つことが望まれます。

低血圧

低血圧は100/60mmHg 未満

低血圧とは、上が100mmHg未満、下が60mmHg 未満の両方を満たす血圧のことです。(世界保健機関(WHO)の世界共通の基準)
血圧が単に低いだけなら問題はなく、症状がある場合に治療の対象となります。

低血圧の状態だと何が悪いの?

低血圧は、正常血圧より低すぎるということです。
なので、低血圧自体に特に問題がないと考えられているため、積極的に治療をすることは少ないです。
強い症状があれば原因を調べ治療することになります。

低血圧は、世界保健機関(WHO)が世界共通の基準として、上が100mmHg未満、下が60mmHg未満の両方を満たす血圧のこととしています。
上が80mmHg未満になるといろいろな症状が強く出やすいと言われています。

参考:『低血圧 – Wikipedia』

炭水化物

基本の栄養素

炭水化物

炭水化物は、三大栄養素のひとつで、エネルギー源となります。
大きくは、糖質と食物繊維に分けられます。
糖質は体内でブドウ糖に分解されて、血液により全身に運ばれ、体を動かすエネルギーとして利用されます。
穀物(米、小麦)、いも類、果物などに多く含まれています。

体を動かすエネルギー

炭水化物は、たんぱく質、脂質とともに三大栄養素のひとつとしされています。
それは、体を動かすエネルギーとして利用される重要な栄養素だからです。

炭水化物は、人の消化酵素で消化・吸収可能な糖質と、消化酵素で消化・吸収されにくい食物繊維に大きく分けられます。食物繊維は消化されにくい糖質なので、難消化性糖類とも呼ばれます。

消化・吸収可能された糖質は、さらにブドウ糖に分解され、血液により全身に運ばれて、体を動かすエネルギーとして利用されます。
1グラムの糖質は4kcalに成ります。
4kcalは、だいたい1リットルの水を4℃上げられるエネルギーです。
冷たい氷水0℃200mlなら20℃まで上げられます。

ブドウ糖に分解されるためには?

炭水化物の糖質は、同じくエネルギー源となる脂質やたんぱく質よりも素早く消化・吸収でき、すぐにエネルギーとして利用できる特徴があります。
炭水化物は素早く分解され、人の体内で消化・吸収可能ですが、そのためには消化酵素が必要です。
その消化酵素を助けるビタミンやミネラルが必要です。特にビタミンB1が必要で食事で一緒に取ることが肝要になります。

食物繊維は、エネルギー源として余り価値の無いように考えられてきましたが、食物繊維も大腸内の腸内細菌によって分解され吸収可能になることがわかってきました。
一方、消化器官の働きを活発にすることや食事成分の消化や吸収を穏やかにするなどの重要な役割を持っています。

適量摂取が最適

炭水化物は、人にとって重要なエネルギー源です。
しかし、取らなかったからと言って短期間で影響が出ることは無いと考えられていますが、体はエネルギーが必要ですから「糖新生」という仕組みを使って体の中にあるたんぱく質や脂質からブドウ糖を作りだし、エネルギー源とします。
この時、余分な脂質(体脂肪)から先に選択して使うわけではなく、体のいたる所からたんぱく質や脂質を使います。もちろん筋肉も例外ではありません。長い間、炭水化物の摂取を抑えていると筋肉量が低下し、基礎代謝も抑えられるようになります。

ダイエットで、糖質制限ダイエットというものが有りますが、筋肉量を減らさないためにも過度な制限をしないで適量を摂取することが体に負担をかけないやり方かも知れません。

良い取り方は?

先ほども少し記述しましたが、炭水化物を糖質にして消化・吸収するためには消化酵素が必要です。
糖質の代謝にはビタミンB1が必要なので、炭水化物を摂取するとともにビタミンB1も摂取することが望ましいです。
ビタミンB1は豚肉や豆類に多く含まれる栄養素です。
また、穀類では外皮にビタミンB1が多く含まれているため、白米でなく胚芽米や玄米に変えることで、炭水化物とビタミン群を同時に摂取することが可能になります。

食物繊維(難消化性糖類)

基本の栄養素

食物繊維(難消化性糖類)

食物繊維(しょくもつせんい)は、食物に含まれているもので、人の消化酵素によって消化されない難消化性成分の総称である。
その多くは植物性、藻類性、菌類性食物の細胞壁を構成する成分であるが、植物の炭水化物の中にもグルコマンナンやイヌリンの様に栄養学的には食物繊維としてふるまうものもあります。
また、食物繊維は大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられるます。

役に立たないもの?

随分昔は、体を動かすエネルギーとならないため、役に立たないものとされてきました。
しかし科学の進化により有用性が明らかになり、摂取した方が体に良いとされるものとして認識されるようになってきました。
大腸の機能は食物繊維の存在を前提としたものであり、これの不足は大腸の機能不全につながることになるとも考えられている。

効果

熟した果物などに含まれている水溶性食物繊維(難消化性デキストリン)は、食後の血糖値の急激な上昇の抑制や、コレステロールの吸収を抑制する作用が報告されています。
野菜や穀類、豆類等に含まれている不溶性食物繊維は、大腸の蠕動運動を促します。

食物繊維の効用として、脂質異常症予防、便秘予防、肥満予防、糖尿病予防、脂質代謝を調節して動脈硬化の予防、大腸癌の予防、その他腸内細菌によるビタミンB群の合成、食品中の毒性物質の排除促進等が確認されています。

肥満防止

水溶性食物繊維は胃で膨潤することで食塊を大きくし、粘性を上げ、胃内の滞留時間を延ばし満腹感を与え、不溶性食物繊維は食物の咀嚼回数を増加させ唾液や胃液の分泌を促し食塊を大きくすることで効果を現す。

コレステロール上昇抑止

水溶性食物繊維は食物コレステロールの吸収抑制、コレステロールの異化・代謝・排泄の促進、胆汁酸の回腸からの再吸収阻害による代謝・排泄の促進などがされます

血糖値上昇抑制

水溶性食物繊維は粘度の高い溶液をつくり、胃から小腸への食物の移行を緩やかにします。
また、拡散阻害作用、吸水・膨潤作用、吸着作用などがあり、摂取した食物は胃で消化され、緩やかに移行し、吸着され、吸収速度が緩慢となる結果、グルコースの吸収を緩慢にして血糖値の上昇を抑えます。

排便促進

不溶性食物繊維は結腸や直腸で便容積を増大させ、排便を促進させます。

適量摂取が最適

食物繊維の望ましい摂取量は、成人男性で19g/日以上、成人女性で17g/日以上とされています。

2003年、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)による「食事、栄養と生活習慣病の予防」では、肥満、2型糖尿病、心臓病のリスクを下げると報告され、野菜や果物や玄米のような全粒穀物からの摂取をすすめています。

悪玉コレステロール LDLコレステロール

悪玉コレステロール LDLコレステロールとは

コレステロール構造図悪玉コレステロール・LDLコレステロールとは、コレステロール血管を通り全身へ運ばれる時にコレステロールとリポタンパク質で作られる複合体物質のことです。

コレステロールは、体の主要な構成物質で、生きていくためには欠かせない物質です。
その働きは、細胞膜を作ったり、筋肉を作るホルモンの原材料だったり、栄養分の分解に利用されたり、栄養を吸収する胆汁酸の原材料としての役割等が有ります。
脳や神経系にも多くのコレステロールが使われています。

この生きていくためには欠かせないコレステロールを血管を利用して全身に運ぶ時に、いわゆる善玉コレステロールと悪玉コレステロールと呼ばれる物質に形を変えて運んでいます。

悪玉コレステロールは絶対必要

善玉コレステロールと悪玉コレステロールの違いは複合体を作るリポタンパク質の違いです。
善玉コレステロールは、体内に使われずに放置されたコレステロールを回収し、肝臓に戻す働きがあります。
悪玉コレステロールは、全身にコレステロールを運ぶ役割をしています。

体へ運ぶ時に行きが悪玉コレステロール、帰りが善玉コレステロールという物質の形を取ります。
もし、悪玉コレステロールが無かったら。。。大変なことになりますよね。

悪玉コレステロールはなぜ嫌われる?

悪玉コレステロールは目的地が有るわけでなく、必要に応じて血中から取り込まれて利用されます。
消費される量より供給が多いと、消費されなかった分が血管内でさまようことになります。その一部が血管に溜まって高脂血症を引き起こし、ひいては動脈硬化などを進行させてしまうことになります。

血管障害を中心とする生活習慣病の因子となることから、悪玉コレステロールは嫌われる原因となっています。なので悪玉なんでしょうね。

善玉コレステロールは、悪玉コレステロールを回収することから逆に好かれています。なので善玉なんでしょうね。

悪玉コレステロール不足どうなる?

じゃ、消費される量より供給が少ない。不足しちゃったらどうなるのか?
悪玉コレステロールは体に必要なコレステロールを全身に運ぶ役目を負っています。その悪玉コレステロールが少ないと、もう考える必要もないですよね。

いろいろなところで弊害を及ぼします。
細胞膜が作れない、筋肉が作れない、栄養分の分解ができない、栄養を吸収する胆汁酸がつくれない。。。etc

悪玉コレステロールは、人(動物)が生きていくのに欠かせないものです。
過剰にならないように注意するのは当たり前ですが、絶対量が不足するような事態になってはダメです。
結局、過不足なく作られるような生活習慣を身に付けるのが一番ってことですね。

参照:『Wikipedia コレステロール