稽古とは一より習い十を知り 十よりかえるもとのその一
千利休の言葉です。
意味
稽古とは一から二、三、四、五と順を追って十まで進み、そして再び一に戻って二、三、四、五とまた進むものです。
教え
初めて茶道を一から習う時と、一度十まで進み再び一を習う時とでは、その習う人の心はまったく別物です。
初めて帛紗捌きを習った時は、先生から右の手をどこまで上げよとか、どの指を何本出せとかいちいち細かいことを教えてもらいますが、形式や所作を覚えることで精一杯です。
稽古を重ねて進むにつれて、形式や所作にとらわれず本当の茶道の心がわかり始めます。
再び一の稽古から始めた時、今まで見えてこなかったものが見えてくるようになります。
こうした稽古をくり返しているうちに茶道の真意をも理解できる心が培われていきます。
まとめ
一度習い理解した心算でも、物事の奥は深く、これで良いと思った時には進歩も止まってしまうのです。