炭水化物

基本の栄養素

炭水化物

炭水化物は、三大栄養素のひとつで、エネルギー源となります。
大きくは、糖質と食物繊維に分けられます。
糖質は体内でブドウ糖に分解されて、血液により全身に運ばれ、体を動かすエネルギーとして利用されます。
穀物(米、小麦)、いも類、果物などに多く含まれています。

体を動かすエネルギー

炭水化物は、たんぱく質、脂質とともに三大栄養素のひとつとしされています。
それは、体を動かすエネルギーとして利用される重要な栄養素だからです。

炭水化物は、人の消化酵素で消化・吸収可能な糖質と、消化酵素で消化・吸収されにくい食物繊維に大きく分けられます。食物繊維は消化されにくい糖質なので、難消化性糖類とも呼ばれます。

消化・吸収可能された糖質は、さらにブドウ糖に分解され、血液により全身に運ばれて、体を動かすエネルギーとして利用されます。
1グラムの糖質は4kcalに成ります。
4kcalは、だいたい1リットルの水を4℃上げられるエネルギーです。
冷たい氷水0℃200mlなら20℃まで上げられます。

ブドウ糖に分解されるためには?

炭水化物の糖質は、同じくエネルギー源となる脂質やたんぱく質よりも素早く消化・吸収でき、すぐにエネルギーとして利用できる特徴があります。
炭水化物は素早く分解され、人の体内で消化・吸収可能ですが、そのためには消化酵素が必要です。
その消化酵素を助けるビタミンやミネラルが必要です。特にビタミンB1が必要で食事で一緒に取ることが肝要になります。

食物繊維は、エネルギー源として余り価値の無いように考えられてきましたが、食物繊維も大腸内の腸内細菌によって分解され吸収可能になることがわかってきました。
一方、消化器官の働きを活発にすることや食事成分の消化や吸収を穏やかにするなどの重要な役割を持っています。

適量摂取が最適

炭水化物は、人にとって重要なエネルギー源です。
しかし、取らなかったからと言って短期間で影響が出ることは無いと考えられていますが、体はエネルギーが必要ですから「糖新生」という仕組みを使って体の中にあるたんぱく質や脂質からブドウ糖を作りだし、エネルギー源とします。
この時、余分な脂質(体脂肪)から先に選択して使うわけではなく、体のいたる所からたんぱく質や脂質を使います。もちろん筋肉も例外ではありません。長い間、炭水化物の摂取を抑えていると筋肉量が低下し、基礎代謝も抑えられるようになります。

ダイエットで、糖質制限ダイエットというものが有りますが、筋肉量を減らさないためにも過度な制限をしないで適量を摂取することが体に負担をかけないやり方かも知れません。

良い取り方は?

先ほども少し記述しましたが、炭水化物を糖質にして消化・吸収するためには消化酵素が必要です。
糖質の代謝にはビタミンB1が必要なので、炭水化物を摂取するとともにビタミンB1も摂取することが望ましいです。
ビタミンB1は豚肉や豆類に多く含まれる栄養素です。
また、穀類では外皮にビタミンB1が多く含まれているため、白米でなく胚芽米や玄米に変えることで、炭水化物とビタミン群を同時に摂取することが可能になります。

食物繊維(難消化性糖類)

基本の栄養素

食物繊維(難消化性糖類)

食物繊維(しょくもつせんい)は、食物に含まれているもので、人の消化酵素によって消化されない難消化性成分の総称である。
その多くは植物性、藻類性、菌類性食物の細胞壁を構成する成分であるが、植物の炭水化物の中にもグルコマンナンやイヌリンの様に栄養学的には食物繊維としてふるまうものもあります。
また、食物繊維は大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられるます。

役に立たないもの?

随分昔は、体を動かすエネルギーとならないため、役に立たないものとされてきました。
しかし科学の進化により有用性が明らかになり、摂取した方が体に良いとされるものとして認識されるようになってきました。
大腸の機能は食物繊維の存在を前提としたものであり、これの不足は大腸の機能不全につながることになるとも考えられている。

効果

熟した果物などに含まれている水溶性食物繊維(難消化性デキストリン)は、食後の血糖値の急激な上昇の抑制や、コレステロールの吸収を抑制する作用が報告されています。
野菜や穀類、豆類等に含まれている不溶性食物繊維は、大腸の蠕動運動を促します。

食物繊維の効用として、脂質異常症予防、便秘予防、肥満予防、糖尿病予防、脂質代謝を調節して動脈硬化の予防、大腸癌の予防、その他腸内細菌によるビタミンB群の合成、食品中の毒性物質の排除促進等が確認されています。

肥満防止

水溶性食物繊維は胃で膨潤することで食塊を大きくし、粘性を上げ、胃内の滞留時間を延ばし満腹感を与え、不溶性食物繊維は食物の咀嚼回数を増加させ唾液や胃液の分泌を促し食塊を大きくすることで効果を現す。

コレステロール上昇抑止

水溶性食物繊維は食物コレステロールの吸収抑制、コレステロールの異化・代謝・排泄の促進、胆汁酸の回腸からの再吸収阻害による代謝・排泄の促進などがされます

血糖値上昇抑制

水溶性食物繊維は粘度の高い溶液をつくり、胃から小腸への食物の移行を緩やかにします。
また、拡散阻害作用、吸水・膨潤作用、吸着作用などがあり、摂取した食物は胃で消化され、緩やかに移行し、吸着され、吸収速度が緩慢となる結果、グルコースの吸収を緩慢にして血糖値の上昇を抑えます。

排便促進

不溶性食物繊維は結腸や直腸で便容積を増大させ、排便を促進させます。

適量摂取が最適

食物繊維の望ましい摂取量は、成人男性で19g/日以上、成人女性で17g/日以上とされています。

2003年、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)による「食事、栄養と生活習慣病の予防」では、肥満、2型糖尿病、心臓病のリスクを下げると報告され、野菜や果物や玄米のような全粒穀物からの摂取をすすめています。

5つの栄養素の主な役割

5つの栄養素の主な役割

私たちは、食事からエネルギーの他、からだを作ったり、からだの調子をととのえるための栄養素を摂取しています。
栄養素はその働きや性質から、「炭水化物」「脂質」「タンパク質」「ミネラル(無機質)」「ビタミン」の5種類に分けられています。
これを「五大栄養素」と言います。
栄養素には各々役割があり、私たちの体を動かしたり、作ったり維持するために使用されています。

5つの栄養素

5つの栄養素は、「炭水化物」「脂質」「タンパク質」「ミネラル(無機質)」「ビタミン」です。

5つの栄養素の主な役割
人は一定期間に必要な栄養素の量が有り、必要以上の摂取や不足した場合にいろいろな弊害が出ます。
食品のもつ栄養素をきちんと把握して過不足が無いようにバランス良く摂取することが健康を保つうえで大切なことです。

主に体を動かすエネルギーになるもの

体や細胞が生命を維持するために活動する時のエネルギーとなる
・「炭水化物」「脂質」(「タンパク質」)

主に体の組織を作る元になるもの

筋肉、内臓、皮膚、髪の毛、爪、血液や骨や消化酵素など、体の組織を作る元になる
・「タンパク質」、「ミネラル」(「脂質」)

主に体の調子を整えるもの

体を正常に維持するために使用されるもの
・「ビタミン」(「ミネラル」)

※Point

人はいろいろな栄養素を採ることで命が支えられています。

栄養素にはどんな種類があるの?

栄養素にはどんな種類があるの?

3大栄養素
主にエネルギーになる「炭水化物」や「脂質」、主に体の組織を作る「タンパク質」、この3つを3大栄養素と呼びます。

5大栄養素
3大栄養素に「ミネラル」と「ビタミン」を加えたものを5大栄養素と呼びます。
人は一定期間に必要な栄養素の量が有り、必要以上の摂取や不足した場合にいろいろな弊害が出ます。
食品のもつ栄養素をきちんと把握して過不足が無いようにバランス良く摂取することが健康を保つうえで大切なことです。

※Point
「炭水化物」、「脂質」、「タンパク質」、「ミネラル」、「ビタミン」バランス良く摂取することが大切です。

農業で働く人の数は?

今、農業で働く人の数は?

日本の食料自給率は40%です。
じゃ、私たちが毎日食べているお米や野菜を作っている人たちの数ってどのくらい何でしょうか?
実は農業にたずさわる人たちは高齢化が進み、若い人の就農が増えないと先細りでどんどん農作物の生産が減っていっています。
年齢別でみると70代前後が一番多くなっています。農業で働く人の数も400万人程度になっています。

ちなみに農業で働く人の数が減っているばかりでなく、農地も減っています。
1960年に約607万ヘクタール有った農地が、住宅や工場などに変わることで、2004年には471万ヘクタールになっています。
日本の総面積のうち農地は約12.5%です。

※Point
農業の就業者数は高齢化に伴い減る一方です。このまま進むと更に諸外国から食料を供給してもらわないといけなくなります。