先日(2015年6月16日)、アメリカの米食品医薬品局(FDA)がトランス脂肪酸の主要発生源「部分的水素添加油」の食品への使用を3年以内に原則禁止することを発表しました。
ココナッツオイルを選ぶ時に注意する必要は有るのでしょうか?
トランス脂肪酸とは
ご存じのとおり、 トランス脂肪酸とは植物油を加工して作るマーガリンやショートニング、それらを使ったパンやクッキー、スナック菓子、揚げ物などに含まれる不飽和脂肪酸と呼ばれる脂質の一種で、大量に摂取すると心筋梗塞など心血管疾患のリスクが高くなると言われています。
アメリカでの取り組み
世界保健機関(WHO)では既に10年以上前からトランス脂肪酸の摂取を減らすよう勧告を出しており、先進国では概ね規制の対象になっています。
FDAでは2006年から加工食品のトランス脂肪酸の含有量表示を義務付けなど実施し、その消費量は2003年から12年の間に約78%減少する効果をだしました。
今回の決定はさらに削減を進めるためのもので、FDAは「冠動脈疾患を減らし、致命的な心臓病を年数千件減らせる」としています。
日本での取り組み
日本では、摂取量が少なく「通常の食生活では健康への影響は小さい」との理由から特に規制されていない状況です。
自主的にトランス脂肪酸に関する情報を開示するよう要請している程度です。
ただ、インターネット社会ですので、トランス脂肪酸の有害性を知る人も多く、放置しておくとデメリットになるとの考えから、自主的に対応する企業も増えてきています。
ココナッツオイルでは?
ココナッツオイルの成分表を見ると、こぞってトランス脂肪酸は0gとなっています。
違法な表示を行って居れば別ですが、食品としてココナッツオイルを輸入している業者であれば、まず大丈夫な状況です。
安全安心第一なら、エキストラバージンココナッツを選択するのも間違いでは有りません。
また、一方では無臭の精製ココナッツオイルを選ぶことも、料理に使いやすいなどの理由も有りますが、安全安心はほぼ担保されていますので、間違いではないと思います。
結論
トランス脂肪酸に関しては、ココナッツオイルでは心配する必要は無さそうです。
むしろ、マーガリンやショートニング、それらを使ったパンやクッキー、スナック菓子、揚げ物などの摂取を控えるなどした方が良いです。
目に見えないところで使用されていることも有るので、より注意が必要です。