脂肪が燃えるとは?

脂肪が燃えるとは?

ダイエットネタのテレビ番組や雑誌の特集、友人との会話でよく出てくる「脂肪を燃やして減らしましょう」と言うフレーズ、なんとなく知っているのですが具体的にどういうことなのか調べてみました。
脂肪が減る仕組みを知ればダイエットの助けになりますし、間違ったダイエットを行うことも少なくなるはず。
より良いダイエットをしましょう。

 

脂肪ってなに?

だいたいのことは皆さんもご存知の通りです。

少しだけ確認します。

脂肪は脂肪細胞の中に貯えられた中性脂肪のことで、不要な物ではなく人が生きていくため必須なものです。決して邪魔なお荷物ではありません。

脂肪細胞には「白色脂肪細胞(単胞性脂肪細胞)」と「褐色脂肪細胞(多胞性脂肪細胞)」の二種類があり、それぞれ違う働きを担っています。

白色脂肪細胞

白色脂肪細胞は、食事で消化・吸収され、体内で過剰となった糖や中性脂肪を細胞内の脂肪滴の中に中性脂肪として貯えます。
皮下や内臓の周囲に多く存在しています。

妊娠末期の三か月(胎児期)、乳幼児期・思春期に集中して増殖すると考えられており、一度作られると減少をほとんどしないと考えられています。
最近の研究で、成人でも細胞の肥大に伴う細胞分裂を行いさらに、脂肪を取り込めることがわかってきました。

 

褐色脂肪細胞

褐色脂肪細胞は、運動を行わなくても脂肪を燃やしてエネルギーを消費し、熱を発生させることができます。
冬眠中のクマなどにはこの褐色脂肪細胞が多く存在することが確認されています。

褐色脂肪細胞は乳幼児時期に多く存在しますが、骨格筋の発達に伴い熱を発生させる必要が無くなると一部を残して減少していきます。
成人では、首回り、肩甲骨付近、腎臓の周り、胸部大動脈周辺に少量存在しています。

褐色脂肪細胞は熱を発生させる機能を持っているため、細胞内に鉄(赤褐色)を含んでいるミトコンドリアが多く存在しています。
このミトコンドリアに存在するUCP(熱産生タンパク質)が自身の脂肪酸や白色脂肪細胞から分離された脂肪酸を取り込み、熱を発生させます。

 

脂肪が燃えるってどういうこと?

脂肪が燃えるってどういうこと?・・・不思議に思ったこと、有りませんか?
体の中で脂肪に火がついて燃える?・・・訳でもないですよね。

脂肪はエネルギーとして利用される前に、まず分解され、その後糖に変えられます。
糖に変わった脂肪はさらにクエン酸などに変えられ、体内の各細胞のTCA回路(クエン酸回路)に送られ始めてエネルギーになります。

この一連の流れが、「ガソリン→エネルギー」=「脂肪→エネルギー」と言うイメージを連想させあえて「脂肪燃焼」と呼ばれていると思います。

ジョギングに出かける前に、「よし!脂肪を分解するぞ!」よりも「よし!脂肪を燃やし尽くすぞ!」の方がモチベーション上がりますしね。

 

脂肪を効率的に燃やすには?

ですが、「摂取カロリー」>「消費カロリー」の場合、自然に任せていては肥満になります。
そこで運動を行うことになるのですが、ここでは効率的に燃やすことを考えていきます。

 

脂肪はいつも燃えている

脂肪は何もしなくても実は体の中でほぼ常に燃えています。
逆に言えば、燃やさずにいられないのが現実です。

無酸素運動時でも呼吸をしている限り、脂肪は燃えています。

 

どのタイミングでどこの脂肪が燃える?

何もせず安静にしている時、臓器を動かすために意図しない運動を行っています。
これがいわゆる基礎代謝のなるのですが、この時は、血中の中性脂肪を使います。

食事後4時間~6時間は食事で摂取した脂肪により、血中の中性脂肪は濃度が上昇し、脂肪細胞に吸収されます。

食事の間などで血中の中性脂肪濃度が下がった場合は、脂肪細胞から放出されます。
内臓脂肪と皮下脂肪なら余分な内臓脂肪が先に使われる傾向が強いようです。

軽い運動(脂肪燃焼運動)

息がほとんど切れない程度の軽運動時は、脂肪と糖は半々で使われるようです。
有酸素代謝(好気的代謝)によってエネルギーが作られます。
ただし消費カロリーも少ないため、消費される脂肪も少ないです。

中くらいの運動(有酸素運動)

少し息が切れる程度の運動の場合も、脂肪と糖は半々で使われるようです。
有酸素運動時も有酸素代謝(好気的代謝)によってエネルギーが作られるため、エネルギーを作り出すための資源は脂肪燃焼運動と同じです。
強度が上がるにつれて無酸素運動になっていくため、糖を使う量が増えていきます。

強い運動(無酸素運動時)

体を激しく動かすためのエネルギーは嫌気性代謝(リン酸系-CP系、解糖系‐乳酸系)で得ます。
ですがその間も酸素が有れば有酸素代謝(好気的代謝)によってエネルギーは作られます。
しかし、純粋な無酸素運動は短時間であるため、消費される脂肪はかなり少ないと言えます。

 

効果的に燃やすには

理論的には、無酸素運動に入る直前の負荷で長時間の運動を行うことが一番効率よく脂肪を消費できます。
これは実践するにはとても難しく、基礎体力も相当に必要になります。

運動強度にMetsと言うものがあります。
そのMetsで使用されるカロリー消費の計算は、「1.05×Mets×体重×時間」となっています。
このことは、以下のことを示しています。

「運動強度2で4時間ウォーキング」=「運動強度4で2時間ウォーキング」

効果的に脂肪を消費したいのなら運動強度を上げ、時間を半分にすることが良いのですが、その運動強度を維持できる体力がない場合は、運動を軽めにしてより長時間行うことで同じ脂肪を消費できます。

以上のことから。自分の使用できる時間ぎりぎりいっぱいの間、運動できる強度で運動を行うのが最も効果的に脂肪を燃焼させるコツになります。

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