グリコーゲン

グリコーゲン

グリコーゲンとは、Wikipedia によると「グリコーゲン (glycogen) あるいは糖原(とうげん)とは、多数のα-D-グルコース(ブドウ糖)分子がグリコシド結合によって重合し、枝分かれの非常に多い構造になった高分子である。」だそうです。

化学的で良くわからないので、少し違う見方をすると、無酸素運動時に使われるエネルギーのことです。
無酸素運動は既に知って居ると思います。
短時間の間だけ、全身を激しく活動させられる運動のことです。
敵から逃げる、敵を追う、獲物を追う、重い物を一気に動かす、速く目的地に移動するなど、短時間だけど最高のパワーをだすことができます。

で、無酸素運動にも「クレアチンリン酸」を使う場合(100m走など)と、「グリコーゲン」を使い場合(400m走など)が有ります。
「クレアチンリン酸」を使う場合はパワーが10秒も持続できないと言われています。
「グリコーゲン」を使う場合はパワーが10秒~70秒くらい保つと言われています。

グリコーゲンの使われ方

グリコーゲンは無酸素運動時に使われます。
その時の使われ方は、乳酸系の代謝経路で使われます。

乳酸系の代謝経路では、グリコーゲンやブドウ糖からブドウ糖6リン酸を作り、ブドウ糖6リン酸がピルビン酸になるときにエネルギーを生成します。
ですが、ピルビン酸の状態だと体に貯めにくいので、乳酸の状態で保存されます。
グリコーゲンの分解は、アドレナリンまたはグルカゴンに刺激されて、グリコーゲンが蓄えられている筋肉と肝細胞で起こります。

また、科学的で良くわかりませんね。
まぁ簡単にグリコーゲンは乳酸とエネルギーになると思いましょう。

 

グリコーゲンは体内にどのくらい有るの?

グリコーゲンを使った無酸素運動時はたったの70秒しか持ちません。
そんなにグリコーゲンは体内に少ないのでしょうか?

肝細胞は、食後直後に肝臓の重量の8 %(大人で100-120 g)までのグリコーゲンを蓄えることができると言われています。
また、骨格筋中でもグリコーゲンは骨格筋重量の1-2 %程度の低い濃度でしか貯蔵できないものの貯蔵することができます。

これらを考慮するともちろん体格差も有りますが大人で300g前後のグリコーゲンを蓄えることができそうです。

ちなみに、肝細胞では、グルコース-6-リン酸を解糖系で消費することもできるし、グルコース-6-ホスファターゼでリン酸基を除去してグルコースにした上で血流に放出することもできます。
要は他の臓器や筋肉にエネルギーを渡すことができると言うことです。
筋肉細胞は貯めたグルコースは自筋肉でしか利用できません。

肝臓で蓄えたグリコーゲンを使えば、もっと長く無酸素運動が出来るように思いますが。。。

 

乳酸系無酸素運動はなぜ短い?

肝臓で蓄えたグリコーゲンを使えば、もっと長く無酸素運動が出来るように思えませんか?
肝臓に蓄えたグリコーゲンを放出することで400Kcal~500Kcal分のエネルギーを作り出すことができます。

しかし、実際そうはいきません。
皆さんご存知の通り、疲労困憊になり動けなくなりますよね。

なぜ疲労困憊になるかはっきりわかりませんが下のように言われています。

運動を行うとATPを消費して、エネルギーを得ます。
ATP+H2O→ADP+H3PO4となるときにエネルギーを放出します。
この時に「リン酸」が作られます。
この「リン酸」はカルシウムと結合しやすく、カルシウムがリン酸と結合してしまうと筋収縮に必須のカルシウムの働きが悪くなる。これが疲労の原因の一つと考えられています。
カルシウムは本来筋小胞体に貯められ、筋小胞体から出ることで筋肉は収縮し、筋小胞体に戻れば筋肉は弛緩する

この他に、カリウムイオン K+と乳酸も疲労に関わる重要な物質と考えられています。
筋肉を動かすための電気刺激のためには、ナトリウムイオンNa+とカリウムイオン K+が必要になります。
平常の細胞内のカリウムイオン K+は細胞膜の内側に多く存在するのですが、運動を繰り返すことでカリウムイオン K+が滲出し細胞外で濃度を上昇させます。
その蓄積したカリウムイオン K+ が筋肉疲労の鍵物質であることが Nielsen らによって報告されました。
Nielsen らの研究では、K+ の添加により筋力を弱められたラットヒラメ筋に、乳酸やプロピオン酸を添加すると筋力の回復が観察されたそうです。
2004年の Pedersen らの報告でも、pH が小さいときに塩化物イオンの細胞透過性が落ちることが示され、アシドーシス(乳酸によるH+放出)に筋肉疲労を防ぐ作用があることが示唆されています。

酸素が不足する激しい運動下では、体内に貯められたグリコーゲンの全てを上手く使い切ることができないようです。
しかし、筋肉のパフォーマンスは落ち、激しい運動が続けけられなくなります

 

有酸素系代謝経路と組み合わせる

人は無酸素運動時でも呼吸をしています。
呼吸をすることで有酸素系代謝経路からもエネルギーを作ります。

マラソンなどの長時間の運動を行う際には、乳酸系の代謝経路と有酸素系の代謝経路を組み合わせることで、体内に貯められたグリコーゲンを上手く使い、2時間以上の間、無酸素運動のパワーを使うことができると考えられています。
例えば、乳酸系の代謝経路を最大のパワーで引き出すのではなく持続可能なペースのパワーで引き出し、そこに有酸素の代謝経路のパワーを足すことで運動パフォーマンスを上げる考え方です。

トップアスリートの世界では、競技に合わせて最高のパフォーマンスが出せるように、トレーニングや試合中のペース配分を考えています。
逆にダイエットを行うのに自身に最適なトレーニング方法も有るはずです。
グリコーゲンを使った乳酸系の代謝経路の特徴を考慮したトレーニングを行ってください。

 

以上、「グリコーゲン」の説明でした。

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