ココナッツオイルと便秘解消

ロダン考える人まだまだ、巷で話題のココナッツオイル。
ココナッツオイルを推すWebサイトやブログでは、「ココナッツオイルは便秘に効果がある!」と書かれていることが多いですね。
確かに私自身も周りの人に聞いても、お通じが良くなったという実体験があり、効果が出ている人が多いようです。

今回はココナッツオイルが便秘を本当に解消できるかを考えてみたいと思います。

ココナッツオイルはホントに便秘に効くの?

そもそも便秘とは

そもそも便秘とは、以下のように考えられているものです。(※Wikipedia『便秘』)

・一般に排便の無い期間の長さ(排便が3日以上無い、週に3回以下しかないなど)
・排便の困難さ
・残便感
・口腔からの便臭
などで認識・診断される。
「毎日便が出なければならない」と考える者も存在するが、各個体の排便間隔は体質、環境などによりまちまちで、一意に決めることはできない。
日本内科学会の定義では「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」 となっている。

便秘になる理由はまちまちでしょうが、病的なものが原因であれば、ココナッツオイルを検討する段階ではないので、即病院へ行きましょう。

ココナッツオイルで便秘が良くなる場合で有っても偏った食事が原因(食物繊維不足など)の場合でも、根本原因解決に努めましょう。

で、食物繊維を食べたり、水分補給をしたり、軽い運動をしたり、気軽にできることはして、もう少しって思う場合には、きっとココナッツオイルは有効的に働くと思います。

薬を使って便秘を解消しているのなら、ここはココナッツオイルを試さない手は無いと思います。他の効果も有ることから、「やってみて損はない」と思います。

便秘を放置しておくと。。。

軽い便秘だと、つい忙しくて忘れがちになったり、わかって居ても放置してしまったりしがちですよね。

特に朝は忙しいし。。。

でも、放置しておくと。。。

お腹ポッコリ!

これは実感が有る方も多いのでは?

とにかく見た目が悪いですよね。
すっきりさせてしまいましょう!

肩や背中・腰に痛み

便秘のせいで、放散痛が起きることが有ります。
直接関係のない離れた箇所に痛みが出るというものです。

放散痛が起こると、原因が何なのか分かりづらく対処もしづらいですね。
原因不明の痛みはたまに起こるものですが、便秘だけでも解消できれば不安は小さくなります。

吹き出物!

あれ?お肌が荒れてきた?
あっ!こんなのところにニキビ?吹き出物??

なんてことになってしまいます。
デトックスを考えるなら、とにかく早く外に出してしまいたいですね。

体臭が。。。

更に放置してしまうと。
いや、ここまでくると放置ではなく手が付けられない。。。って感じでしょうね。
すごく悩んでしまいますよね。

口臭が臭い。。。なんて最悪です。
この段階になる前に解消しましょうね!

がん?

便秘を放置しておくと、がんになる!?

なんてことは無いそうです。
ご安心ください。

2007年に厚生労働省の研究班が「便秘と大腸癌に因果関係はない」と発表しています。
一般的な慢性便秘から大腸癌になるということはないそうです。

でもね、便秘を放置しておいて、がんの早期発見ができないってケースは有ると思います。
直接の関係は薄いにしても、やはり解消できるならしたいですよね。

ココナッツオイルと便秘解消

さて、本題のココナッツオイルと便秘解消ですが、実際どういうメカニズムで便秘が解消されているのでしょう?

ココナッツオイルは油だから腸の滑りが良くなる説

これは、多分ですが、Wikipediaに載っているのですが、

脂肪は腸管を滑らかにする働きがあるので、摂取することで便の通りがよくなる。
よって油物を摂取するのも効果的である。

ただしこれはダイエットなどで過剰な摂食制限をしている場合にいえることで、脂身などの多い肉類を日常的かつ過剰に取っている場合などは当てはまらないし、他の生活習慣病になるおそれがある。

あくまでも普段サラダと少量の炭水化物のみなどといった、偏った食生活をしている場合である。

と言う説明を拡大解釈して、「 脂肪 ⇒ 油物 ⇒ 油 ⇒ ココナッツオイル 」 となったのでしょう。
ココナッツオイルも油ですから、確かにその効果は有るかもしれませんね。

ただ、下段に書かれている通り、偏った食生活をしている場合に有効と言うことですので、その辺りは注意が必要です。

ココナッツオイルが腸絨毛に浸透し、宿便を掃除してくれる説

この説は、いろいろなWebサイトやブログで書かれています。
しかし、結果のみが書かれているか、根拠が示されない効果の結果、便秘が解消されるという説明です。

そもそも、「ココナッツオイルが腸絨毛に浸透し」って、なに?
ココナッツオイルの成分分解をして説明してよ。
ココナッツオイルが腸の絨毛(じゅうもう)に。。。うむ。。宿便をって、えーーい、全くわかららんわ。。。

ココナッツオイルに特別な物質(特有な物質)が有るってこと?
そんな便利なものが有るなら、とっくに抽出されて便秘解消薬で売りに出されてるわ!

単なる下痢説

これ、私の一押しです。

下痢になる説ですが、実はこれもいろいろあって、

単に「大量の油を取ることで、胃や小腸、大腸の動きが活発になる」と言う根拠の示していないものも有ります。

また、「ラウリン酸は粘膜を刺激するので、そのまま胃や小腸、大腸を刺激しながら通過することで速やかに排泄するために下痢になる」と言う説もあります。

日清オイリオ(株)の研究者がオレオサイエンス 第3巻8号(2003)で報告している「中鎖脂肪酸の栄養学的研究一最近の研究を中心に一」では、以下のように推論しています。

ヒトにおいても,その安全性が確認されているが,1日100gを超えるような多量を摂取 した時には,腹痛や下痢の症状が,少数見られることが報告されている。
この理由は,MCTが極めて速やかに消化されることにより,小腸管腔内が高浸透圧になるために起こると考えられている。

この他にもいろいろな説が有りそうですが、どれが本当なのか私にはわからない状況です。

が、単なる下痢説が研究者の推論も有って、一番しっくりきています。
下痢の症状ですね。

尚、一般的にも言われており、先の論文にも書かれていましたが、摂取量を少量から徐々に増やすことによって解消されるようです。

ココナッツオイルの摂取を中止すれば自然に下痢も止まります。

結論

腸の動きが活発になるのは、何らかの原因による下痢のためである。

この下痢症状はココナッツオイルに慣れることで緩和される。

便秘解消をしたければ下痢になる一歩手前の量を摂取することが肝要。

便秘の解消が一過性なのか、継続的なのかは不明、摂取量のコントロールを考える必要あり。

とりあえず、体質も関係してそうなので「やってみて損はない」程度で考えること。

ココナッツオイルとトランス脂肪酸

先日(2015年6月16日)、アメリカの米食品医薬品局(FDA)がトランス脂肪酸の主要発生源「部分的水素添加油」の食品への使用を3年以内に原則禁止することを発表しました。

ココナッツオイルを選ぶ時に注意する必要は有るのでしょうか?

トランス脂肪酸とは

ご存じのとおり、 トランス脂肪酸とは植物油を加工して作るマーガリンやショートニング、それらを使ったパンやクッキー、スナック菓子、揚げ物などに含まれる不飽和脂肪酸と呼ばれる脂質の一種で、大量に摂取すると心筋梗塞など心血管疾患のリスクが高くなると言われています。

アメリカでの取り組み

世界保健機関(WHO)では既に10年以上前からトランス脂肪酸の摂取を減らすよう勧告を出しており、先進国では概ね規制の対象になっています。

FDAでは2006年から加工食品のトランス脂肪酸の含有量表示を義務付けなど実施し、その消費量は2003年から12年の間に約78%減少する効果をだしました。
今回の決定はさらに削減を進めるためのもので、FDAは「冠動脈疾患を減らし、致命的な心臓病を年数千件減らせる」としています。

日本での取り組み

日本では、摂取量が少なく「通常の食生活では健康への影響は小さい」との理由から特に規制されていない状況です。
自主的にトランス脂肪酸に関する情報を開示するよう要請している程度です。

ただ、インターネット社会ですので、トランス脂肪酸の有害性を知る人も多く、放置しておくとデメリットになるとの考えから、自主的に対応する企業も増えてきています。

ココナッツオイルでは?

ココナッツオイルの成分表を見ると、こぞってトランス脂肪酸は0gとなっています。

違法な表示を行って居れば別ですが、食品としてココナッツオイルを輸入している業者であれば、まず大丈夫な状況です。

安全安心第一なら、エキストラバージンココナッツを選択するのも間違いでは有りません。
また、一方では無臭の精製ココナッツオイルを選ぶことも、料理に使いやすいなどの理由も有りますが、安全安心はほぼ担保されていますので、間違いではないと思います。

結論

トランス脂肪酸に関しては、ココナッツオイルでは心配する必要は無さそうです。

むしろ、マーガリンやショートニング、それらを使ったパンやクッキー、スナック菓子、揚げ物などの摂取を控えるなどした方が良いです。
目に見えないところで使用されていることも有るので、より注意が必要です。

 

ココナッツオイルのビタミンeについて

ココナッツオイルのビタミンeについて、とても不思議に思っています。

なぜなら、ココナッツオイルを進めるインターネットのページには、こぞって『ビタミンeが豊富、すなわち抗酸化物質が豊富なので体内の活性酸素の活動を抑え、アンチエイジングになる』なる旨のことが書いてあります。

今までいくつかのココナッツオイルを試し、インターネットで沢山のココナッツオイルを見てきましたが、実際にビタミンeが豊富との感じを全く受けていません。

このギャップは何なのか、気になったので調べてみました。

ココナッツオイルのビタミンeについて

各商品の成分表にビタミンeが記載されているかを調べました。

とりあえずamazonで注目度の高いココナッツオイルのうち、成分表が掲載されている商品をピックアップしました。ご覧ください。
日々変わるようなので、後日見ても注目商品で上位に出てないかも。

商品ごとの成分表

オーガニックココナッツオイル成分表2_1

Vita Coco ( ビタココ ) エクストラ バージン ココナッツ オイル 250g

ココナッツウォーターで有名な、Vita Coco社のエクストラバージンココナッツオイルです。

 

オーガニックココナッツオイル成分表2_2

記載されている成分表です。
ビタミンeについて記載されていません。その他、説明文を見てもビタミンeについて特に記載は有りませんでした。

Vita Cocoエクストラバージンココナッツオイルのこだわりは、地元農家と協業し、低温圧搾法で一滴一滴搾り出したオイルを、「日本国内のGMP認定工場で充填し、最終加工している」ことです。ローフードだからこそ、徹底的に「安心」「安全」を追求します。そのこだわりこそが、Vita Cocoブランドが信頼を受けている理由のひとつです。


オーガニックココナッツオイル成分表1_1
Kirkland Signature Organic Virgin Coconut Oil Cold Pressed Unrefined 42.3 Fl oz オーガニック 低温抽出 ココナッツオイル 1200g

低温抽出のバージンココナッツオイルです。

 

オーガニックココナッツオイル成分表1_2

ここでもビタミンeの記述が見つけられません。

ビタミンA、ビタミンC共に0%となっています。

ちなみに、Wikipediaのココナッツオイルの成分表でもそれぞれ0μg、0㎎と表記されているので実際そうなのでしょう。

 

 

 


オーガニックココナッツオイル成分表4_1
Brown Sugar 1st 有機エキストラヴァージンココナッツオイル 500ml

「わが子に食べさせたいか?」を 基準 に 厳選した 美味しくて 安心して 与える事のできる 食品 を 販売 している 会社 の 有機 エキストラ ヴァージン ココナッツオイル です

オーガニックココナッツオイル成分表この商品にもビタミンeについては、記載がありません。

 

 

 

 

 

オーガニックココナッツオイル成分表3_1ヌティバ(Nutiva) オーガニックエクストラバージンココナッツオイル 425g

 

 

オーガニックココナッツオイル成分表3_2この商品にもビタミンeの記載はありません。

 

 

 

 

 

 

どの商品にもビタミンeについて成分表には記載が有りませんでした。

Wikipediaによるとココナッツオイル100g中にビタミンeは0.09mg入っているそうですが、サフラワー油は、27.1mg入っています。ゴマ油とかにも結構入っているような。。。
参考:『Wikipedia ココナッツオイル

Wikipediaのココナッツオイルの成分表は精製ココナッツオイルなのかも?
それでビタミンeの含有量がすくない?
でも、それにしてもサフラワー油に比べるとあまりにもお粗末。。。

なぜ、そんなに少ない量しか入っていないビタミンeにまで焦点をあてて、宣伝するのでしょうか?

不思議です。

出所はここか?

なんとなくですが、出所はここかと『カロリー Slism ココナッツオイル (ヤシ油/椰子油)
このページで、特筆すべき栄養素  ビタミンE って出てるんですよね。
このビタミンeの量で特筆すべきなんですかね?

ほんとに不思議です。

結論

商魂逞しい業者の話題作り。
他の食品で十分に取れ足りるものまで宣伝に使う強かさでしょうか。
かなり呆れてしまします。

ちなみに、ビタミンe、抗酸化の調査をしている時に、「ケトン体が抗酸化物質」という記述も見つけましたので、それについてもどうなのか調べてみたいと思います。

ココナッツオイルの抗菌作用について

ココナッツオイルの抗菌作用についてちょっと調べたのでその報告です。
『ココナッツオイルを摂取すると抗菌作用が有って、いろいろな菌から体を守ってくれる』みたいな趣旨の説明があります。

それはどこまで本当なのでしょうか?

ココナッツオイル抗菌作用について

カプリン酸構造図もともとココナッツオイルに含まれるカプリル酸やカプリン酸には、抗菌作用が有ると言われており、実際に実験室での試験では抗菌作用が有ると報告されています。

例えばハーブの抽出液が抗菌作用を示しており、その主成分がカプリン酸が作用していることが報告されています。

そのことから更に踏み込んで他の中鎖脂肪酸も抗菌作用をもつか実験され、その効果が有ったことも報告されています。

下に参考で載せた文献には口にできたカンジダ症の治療にも効果有と報告されています。

中鎖脂肪酸の多いココナッツオイルの保存性が高いのは、これらの抗菌作用が働いているからと想像できます。なので保存剤を添加しなくても保存が効きます。

ちなみにカンジダ菌とは、口腔や食道、腸などに住み着いている菌で誰でも持っている菌です。カンジダ菌は強力な菌でなく体調をバランス良く保っていれば、増殖すること無いと言われています。要は疲労やストレスなどで免疫力が低下するとカンジダ菌が増加することで、カンジダ症を引き起こす菌です。

ココナッツオイルを摂取すると菌から体を守ってくれる?

ココナッツオイルには抗菌性が有ると言うことは確からしいですが、それでは体に取り込んだ後も抗菌作用が有るのでしょうか?

『ココナッツオイルを摂取すると抗菌作用が有って、いろいろな菌から体を守ってくれる』と言う趣旨が書いてある多くのココナッツオイル紹介ページが事実なのでしょうか?

ココナッツオイルを論ずるときに、中鎖脂肪酸、ビタミンなど、酵素など、幾つかに分けなくてはなりません。
一つを否定しても、いやいやそこじゃなくて実はビタミンeが効果有るんだよ。
とか、実はねエキストラバージンオイルの酵素が良いんだよ。
となりますので。

中鎖脂肪酸は摂取すると菌から体を守ってくれる?

中鎖脂肪酸は、先に紹介(下の論文)したとおり、抗菌作用があります。そのなかでもカプリン酸は特に強い抗菌作用が期待されています。

この場合、口腔カンジダ症治療と有るように、直接ココナッツオイルが菌に触れる場合は効果が見込まれています。
体内に摂取した場合の効果については、どこにも触れられていません。

体内に取り込まれた中鎖脂肪酸は、小腸吸収細胞に容易に吸収され、分子が小さいことから腸管で毛細血管に吸収され、遊離脂肪酸のまま門脈に入って肝臓へ運ばれ、速やかにエネルギー源となって代謝されます。

これでは、菌から体を守りようがないですね。。。

と言うことで、中鎖脂肪酸を摂取したとこで身体全域に抗菌作用が発生することは思えません。

ビタミンは摂取すると菌から体を守ってくれる?

じゃ、ビタミンは?
ビタミンB1には抗菌作用が有るので、それかも?でも、成分表を見ても0mgです。はい。

ココナッツオイルはビタミンeが豊富と言われています。
でもね、あれれ?
Wikipediaによると、ココナッツオイル100g中にビタミンeは0.09mg入っているそうです。
ちなみにサフラワー油は、27.1mg

これでは、明らかに少ないですね、、、豊富と言っててこの程度では、説明のしようがないですね。

他のビタミンなどについても同じでしょう。

酵素は摂取すると菌から体を守ってくれる?

さて次は酵素ですが。

そもそも酵素が菌から体を守ってくれる?抗菌作用が有る?
どうやら、多様な酵素が有るようで、菌からも守ってくれる酵素も有るようです。

じゃ、酵素が体内でどうなるか?

酵素もタンパク質ですので、胃に入る前なら活動して貰えますが、胃に入っちゃえば酵素ごと消化分解されたり変質してしまうし、胃を通り抜けたとしてもその後は腸の中で活動をするのみで、抗菌作用が有る!と取り立てて騒ぐほど効果は無いようです。

そもそも、酵素の役割は菌と戦うことではなく消化や代謝の触媒になるような働きですので、抗菌作用を求めること自体に無理があるような気がしています。

その前に酵素の体内活動における有効性も甚だ疑わしいところも有りますから。
参考:『Wikipedia 酵素栄養学

結論

ココナッツオイルを摂取してもそれ程の抗菌作用は期待できない。
期待できる箇所は保存時の抗菌作用、食事前の加工時、口、食道くらいでしょうか。体内に入るとほぼ期待できないと思います。

上の論旨が違う場合、指摘とともに参考文献を教えてください。よろしくお願いします。

参考『中鎖脂肪酸カプリン酸の Candida 菌糸形発育阻止作用と 口腔カンジダ症治療効果

ココナッツオイルが脂肪を溶かす!?

ココナッツオイルが脂肪を溶かす!?
オイルイメージ
こんなことが有るって知ってましたか?事実、ココナッツオイルの効果・効能で検索するとその情報が出てくるんです。びっくりです。

ココナッツオイルが脂肪を溶かす!?

実際のところはどうなんでしょうか?
普通に考えると『有り得ない話』ですよね。

でも、一応検討してみましょう。
ここで例に出すココナッツオイルは一般的なエキストラバージンオイルです。

ココナッツオイルの主成分はオイル・油です。
オーガニックココナッツオイル成分表2_2この表はココナッツオイル100gに対して、どのような成分が含まれているかをしてしています。

まず脂質100gと有るので、全部油です。

脂質のうち、飽和脂肪酸が89.5g。
ここに記載されていませんが、不飽和脂肪酸が入っています。
飽和脂肪酸のうち、62gが中鎖脂肪酸、更に47.1gがラウリン酸です。
特に変わった成分が有るというわけではなさそうです。

では、何が脂肪を溶かすのでしょうか?
そもそも、脂肪って言ってるけど、脂肪って?

溶かされる脂肪って何?

ココナッツオイルで溶かされる脂肪って何でしょうか?

私の見たページではダイエットのことが中心に書かれているので、素直に考えれば体脂肪もしくは内臓脂肪ですよね?

体脂肪や内臓脂肪をどうやって溶かすのでしょう?
なにかとてつもないメカニズムを持っているのでしょうか?

何が脂肪を溶かすのでしょうか?

溶かすとは、砂糖や塩が水に溶けるのと原理的には同じことだと思います。

それか、ココナッツオイルの何かの成分が体脂肪や内臓脂肪に働いて、脂肪を分解する?
これに類するようなものは緑茶のカテキンのようなものが有りますが、ココナッツオイルでは聞いたことがありません。

と言うことは、やはり砂糖や塩が水に溶けるのと同じように、脂肪を溶かすということなのでしょう。

酵素が溶かす?

脂肪を分解する酵素に、リパーゼというものが有りますが、そのような酵素が含まれていることで、脂肪を溶かすと言っているのでしょうか?

それなら、まだ、わからなくもないですが、それは消化しやすくしますが、ダイエットとは関係ないですよね?多少は関係あるかも。。。

それに、酵素もタンパク質ですので、胃に入る前なら活動して貰えますが、胃に入っちゃえば酵素ごと消化分解されたり変質してしまうし、胃を通り抜けたとしてもその後は腸の中で活動をするのみで、取り立てて騒ぐほど効果は無いはずです。

酵素信者の方には効果が有るかも。。。
参考:『Wikipedia 酵素栄養学

代謝経路で考える

ココナッツオイルの特徴は何といっても中鎖脂肪酸が多いことです。

一部の酵素信者の方は酵素目当てかも知れませんが、酵素はあくまでも食べ物と同じ経路を辿るだけなので、体脂肪や内臓脂肪に達して何かをしてくれるわけではないです。

中鎖脂肪酸以外の脂質が、もし体脂肪や内臓脂肪を溶かすのであれば、オリーブオイルなどでも同じように言われるはずなので、、、いや、言われてるのかな?
調べてみます。

ざっと検索してみましたが、オリーブオイルが脂肪を溶かすという記述は簡単には見つかりませんでした。
なので、脂肪を溶かすと謳っているのはココナッツオイルだけみたいですね。

で、オリーブオイルや他のオイルはそのように謳ってないので、中鎖脂肪酸がキーのようです。
では、中鎖脂肪酸はどのように体内で代謝されるのでしょうか?

ご存じのとおり、中鎖脂肪酸は代謝の早い脂肪酸です。
炭素数が8~12の中鎖脂肪酸は、小腸吸収細胞に容易に吸収され、分子が小さいことから腸管で毛細血管に吸収され、遊離脂肪酸のまま門脈に入って肝臓へ運ばれ、速やかにエネルギー源となって代謝されます。

あれ?この過程でどこに脂肪を溶かす効果・効能が期待できるのかな?

結論

ココナッツオイルが体内で脂肪を溶かすことは無いでしょう。
宣伝も過ぎると痛いですね、、、商魂が逞しいというか。。。

「体内 オイルクレンジング」なる言葉があって、脂を油で溶かすと書いてあるのですが、そのページを見てココナッツオイルが脂肪を溶かすに繋げているようです。。。どこかで見かけた宣伝文句をさも真実のように謳うページも多く、ちょっと考えて欲しいですね。
仮に真実ならその根拠を示す参考文献などを挙げて欲しいです。
ココナッツオイルが脂肪を溶かすと語っているページの出典は下のページが多いようです。
油を飲んで体重マイナス10キロ、体内オイルクレンジング(2)

ちなみに、普通のオイルクレンジングは皮膚を洗浄することに使われてますよね。混同しないようにしましょうね。

みなさんも感覚的にわかると思いますが、「人は油を飲んでも体内のクレンジングはされません」よ。
体を壊すだけなのでやめておきましょう。

参考:『Wikipedia 酵素