ココナッツオイルが脂肪を溶かす!?
こんなことが有るって知ってましたか?事実、ココナッツオイルの効果・効能で検索するとその情報が出てくるんです。びっくりです。
ココナッツオイルが脂肪を溶かす!?
実際のところはどうなんでしょうか?
普通に考えると『有り得ない話』ですよね。
でも、一応検討してみましょう。
ここで例に出すココナッツオイルは一般的なエキストラバージンオイルです。
ココナッツオイルの主成分はオイル・油です。
この表はココナッツオイル100gに対して、どのような成分が含まれているかをしてしています。
まず脂質100gと有るので、全部油です。
脂質のうち、飽和脂肪酸が89.5g。
ここに記載されていませんが、不飽和脂肪酸が入っています。
飽和脂肪酸のうち、62gが中鎖脂肪酸、更に47.1gがラウリン酸です。
特に変わった成分が有るというわけではなさそうです。
では、何が脂肪を溶かすのでしょうか?
そもそも、脂肪って言ってるけど、脂肪って?
溶かされる脂肪って何?
ココナッツオイルで溶かされる脂肪って何でしょうか?
私の見たページではダイエットのことが中心に書かれているので、素直に考えれば体脂肪もしくは内臓脂肪ですよね?
体脂肪や内臓脂肪をどうやって溶かすのでしょう?
なにかとてつもないメカニズムを持っているのでしょうか?
何が脂肪を溶かすのでしょうか?
溶かすとは、砂糖や塩が水に溶けるのと原理的には同じことだと思います。
それか、ココナッツオイルの何かの成分が体脂肪や内臓脂肪に働いて、脂肪を分解する?
これに類するようなものは緑茶のカテキンのようなものが有りますが、ココナッツオイルでは聞いたことがありません。
と言うことは、やはり砂糖や塩が水に溶けるのと同じように、脂肪を溶かすということなのでしょう。
酵素が溶かす?
脂肪を分解する酵素に、リパーゼというものが有りますが、そのような酵素が含まれていることで、脂肪を溶かすと言っているのでしょうか?
それなら、まだ、わからなくもないですが、それは消化しやすくしますが、ダイエットとは関係ないですよね?多少は関係あるかも。。。
それに、酵素もタンパク質ですので、胃に入る前なら活動して貰えますが、胃に入っちゃえば酵素ごと消化分解されたり変質してしまうし、胃を通り抜けたとしてもその後は腸の中で活動をするのみで、取り立てて騒ぐほど効果は無いはずです。
酵素信者の方には効果が有るかも。。。
参考:『Wikipedia 酵素栄養学』
代謝経路で考える
ココナッツオイルの特徴は何といっても中鎖脂肪酸が多いことです。
一部の酵素信者の方は酵素目当てかも知れませんが、酵素はあくまでも食べ物と同じ経路を辿るだけなので、体脂肪や内臓脂肪に達して何かをしてくれるわけではないです。
中鎖脂肪酸以外の脂質が、もし体脂肪や内臓脂肪を溶かすのであれば、オリーブオイルなどでも同じように言われるはずなので、、、いや、言われてるのかな?
調べてみます。
ざっと検索してみましたが、オリーブオイルが脂肪を溶かすという記述は簡単には見つかりませんでした。
なので、脂肪を溶かすと謳っているのはココナッツオイルだけみたいですね。
で、オリーブオイルや他のオイルはそのように謳ってないので、中鎖脂肪酸がキーのようです。
では、中鎖脂肪酸はどのように体内で代謝されるのでしょうか?
ご存じのとおり、中鎖脂肪酸は代謝の早い脂肪酸です。
炭素数が8~12の中鎖脂肪酸は、小腸吸収細胞に容易に吸収され、分子が小さいことから腸管で毛細血管に吸収され、遊離脂肪酸のまま門脈に入って肝臓へ運ばれ、速やかにエネルギー源となって代謝されます。
あれ?この過程でどこに脂肪を溶かす効果・効能が期待できるのかな?
結論
ココナッツオイルが体内で脂肪を溶かすことは無いでしょう。
宣伝も過ぎると痛いですね、、、商魂が逞しいというか。。。
「体内 オイルクレンジング」なる言葉があって、脂を油で溶かすと書いてあるのですが、そのページを見てココナッツオイルが脂肪を溶かすに繋げているようです。。。どこかで見かけた宣伝文句をさも真実のように謳うページも多く、ちょっと考えて欲しいですね。
仮に真実ならその根拠を示す参考文献などを挙げて欲しいです。
ココナッツオイルが脂肪を溶かすと語っているページの出典は下のページが多いようです。
油を飲んで体重マイナス10キロ、体内オイルクレンジング(2)
ちなみに、普通のオイルクレンジングは皮膚を洗浄することに使われてますよね。混同しないようにしましょうね。
みなさんも感覚的にわかると思いますが、「人は油を飲んでも体内のクレンジングはされません」よ。
体を壊すだけなのでやめておきましょう。
参考:『Wikipedia 酵素』