やる気の維持

やる気の維持

やる気はどこから来るのでしょうか?

精神論的に語る方も居ますし、脳科学の面から語る方もします。

精神論的なことは他のWebサイトにお任せするとして、このWebサイトでは私も知らないことだらけで恐縮なのですが、脳科学の面から考えていきます。

脳科学の研究でどうやらやる気は「淡蒼球(たんそうきゅう)」や「線条体(せんじょうたい)」と呼ばれる脳部位が大きく関わっていることがわかってきました。

“報酬”の量を予測し”やる気”につなげる脳の仕組みを発見

このレポートの概要は以下の通りです。
『私たちの行動や運動における”やる気”は、予測されうる報酬の量により、強く影響を受けます。しかし、これまでの研究では、脳のどの部位が報酬の量を予測して、行動・運動に結びつけるのか、よく分かっていませんでした。自然科学研究機構生理学研究所の橘 吉寿(タチバナ・ヨシヒサ)助教は、米国NIH(国立衛生研究所)の彦坂 興秀(ヒコサカ・オキヒデ)博士と共同で、サルを用いた研究によって、大脳基底核の一部である腹側淡蒼球と呼ばれる部位が、この過程に強く関わることを明らかにしました。米国神経科学誌NEURON(11月21日号電子版)に掲載されます。

 

研究グループは、情動と運動を結びつける神経回路を持つとされる脳の大脳基底核の一部である腹側淡蒼球に注目。サルに、特定の合図のあと、モニター画面上である方向に目を動かすように覚えさせ、うまくできたらジュースをもらえるようにトレーニングし、そのときの腹側淡蒼球の神経活動を記録しました。腹側淡蒼球における神経細胞の多くが、合図をうけてからジュースをもらえるまで、持続的に活動し続けることを見つけました。予測される報酬(ジュースの量)が大きければ大きいほど、目を動かすスピード(運動)は速く、腹側淡蒼球の神経活動も大きくなりました。この神経細胞こそ、得られる”報酬”を予測して、”やる気”をコントロールする脳の仕組みの一部であると考えられます。

 

橘助教は「腹側淡蒼球を薬物で一時的に働かなくすると、行動の機敏さが(”やる気”の差を生み出す)報酬量の違いによって影響を受けなくなりました。これらの結果から、腹側淡蒼球が、”報酬”を予測し、”やる気”を制御する脳部位の一つであることが分かりました。これによって、報酬に基づく学習プロセスの理解が進むことが期待されます」と話しています。』

 

また、「線条体」と呼ばれる脳部位も大きく関わっていることがわかってきました。

脳内にある、やる気のスイッチを発見-意欲障害の治療法探索が可能に-

『このたび、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室の田中謙二准教授、三村將教授、生理学教室の岡野栄之教授、北海道大学大学院医学研究科の渡辺雅彦教授、防衛医科大学校の太田宏之助教、大学共同利用機関法人自然科学研究機構 生理学研究所の佐野裕美助教らの共同研究グループは、マウスを用いた実験で意欲障害の原因となる脳内の部位を特定しました。

意欲障害は、認知症や脳血管障害など、多くの神経疾患で見られる病態ですが、その原因については、脳が広範囲に障害を受けたときに起こるということ以外分かっていませんでした。

研究グループは、大脳基底核と呼ばれる脳領域の限られた細胞集団が障害を受けるだけで、意欲が障害されること、この細胞集団が健康でないと意欲を維持できないことを発見しました。

今後は、この意欲障害モデル動物を用いて、これまで治療法が全く分かっていなかった脳損傷後の意欲障害における治療法を探索することが可能になります。

本研究成果は、2017 年 2 月 1 日に総合科学雑誌である Nature Communications に掲載されました。』

淡蒼球

淡蒼球とは、大脳基底核の主要な構成要素のひとつで、外節、内節とに区別されます。
どちらも共にGABA(ギャバ、用語集参照)作動、運動機能への関与が最もよく知られています。
また、意思決定など、その他の神経過程にも関わると考えられています。

この淡蒼球が「報酬・リターン」の量を予測し「やる気」につなげる機能を司っているもしくは深く関与していると考えられます。

淡蒼球は脳の一部なので自分で意図的に動作させることができません。
なので、「やる気を出せ!」と念じても何も起こりません。

淡蒼球を活動させるには、上の実験のように「ジュースをもらえる」という報酬に対し活動を促すことができると考えられます。

上の実験では報酬量に対する労力・危険・難易度に関しては言及されていません。
なので、簡単で危険がない状態でなら淡蒼球を簡単に働かせることができそうです。
真の前に報酬をチラつかせて、取りに来たら上げるよと分からせれば良いのですから。

しかし、現実はそんな旨い話はありません。
大きな報酬・リターンを得るには、労力・危険・難易度・その他の条件が必要になります。

 

線条体

線条体とは、大脳基底核の主要な構成要素のひとつで、背側線条体と腹側線条体に区分されます。
運動機能への関与が最もよく知られています。
また、意思決定(依存や快楽)などその他の神経過程にも関わると考えられています。

線条体が機能低下により対人恐怖症、社会恐怖症に成るケースが多いと言われています。
(例:人前に出ると震えたり、手の平に汗をかいたり、顔の筋肉が硬直したりする)

運動系機能を司どる被殻(ひかく)、精神系機能を司る尾状核(びじょうかく)から構成されていて背側線条体とも呼ばれています。
線条体(被殻と尾状核)は、大脳辺縁系と大脳新皮質からそれぞれ興奮性入力を受けることが知られています。

研究の結果、線条体の腹外側の障害で、かつ、その領域のわずか 17%の細胞死によって意欲障害が起こることが分かりました。
研究グループは、神経毒とD2-MSN の機能抑制と破壊という方法によっても、腹外側線条体の D2-MSN が意欲行動に必須であることを見出しました。

 

淡蒼球と線条体の活動と条件

「毎日走ったらすぐに体重が落ちてスマートになれるよ」
これは真実ですが、どれだけ走ったらスマートになれるかの条件が出ていません。
どれだけ大変なのか皆さんはかなりはっきりわかっているので、皆さんの淡蒼球や線条体はこんな言葉には見向きもしません。
できっこないと判断しているので。

「この食品を摂ったタレントが3月で15㎏のダイエットに成功したらしいよ!」
きっとこれも真実でしょう。
しかし、この食品を摂っただけで、「他になんの努力もしていない」とは書いてありません。
本人も番組もなにも言いません。
視聴者の中には希望的な憶測で「食べたら痩せられる。15㎏は大げさでも少しは痩せられる。それも食べるだけで」と解釈してしまいます。
また、「簡単なことで大きな報酬・リターンを得られるのなら、だまされても損は小さい」との判断もできるのでしょう。
その結果、淡蒼球や線条体が活動して「試してみよう」となります。

淡蒼球や線条体が「やる気」につながる機能の一端を担っていますが、まだまだ不明な部分が多いのも事実です。

 

やる気を出させるには

やる気スイッチ! やる気は刺激が必要!」の回で紹介したとおり、やる気を出させるには上の条件を軽くして、まずはやる気を出させるのがコツです。

 

やる気を維持するには

ではやる気を維持するのはどうしたら良いのでしょうか?
やる気を維持するには、「習慣化」を目指すことになります。

脳はすぐに慣れてしまいます。
慣れには「飽きる」慣れと、「習慣化」の慣れがあります。
この習慣化の慣れまで持っていうことが大切なのです。

1回のやる気だけなら

1回だけのやる気なら脳をだまし上手くできるかもしれません。
小さい子を1回だけ言葉巧みに誘導して、嫌なことをなんとかやらせることに似ています。

継続するやる気は

三日坊主をクリアし、3週間をクリアするとだんだん習慣化されてきます。
3か月継続出来たら、ほぼ習慣化できたと考えても良いと思います。

習慣化できると、脳をだますことなく行動に移せるようになります。

では、3週間、3か月をどのようにやる気を維持させるかが問題になります。

淡蒼球や線条体には4つの方法で活性化へ影響を及ぼせると考えている研究者が居ます。

  1. 運動野からのアプローチ
  2. 海馬からのアプローチ
  3. デグメンタからのアプローチ
  4. 前頭葉からのアプローチ

の4つです。

運動野からのアプローチ

これはとにかく体を動かして、やる気スイッチを入れちゃいましょうの手法です。
簡単なクリア条件で「やる気」が無くてもやる気がでるように脳をだます手法です。

海馬からのアプローチ

海馬からのアプローチは、マンネリ化した慣れをいつもと違うことをすることで関心を高める手法です。
例えば、ウォーキングコースを変えてみる。
友達を誘ってウォーキングする
音楽を聴きながらウォーキングする
など、少しでも変化を付けて楽しむ手法です。

デグメンタからのアプローチ

デグメンタからのアプローチは、本来の報酬・リターンと異なる「ごほうび」を得ることによってやる気を維持する手法です。
「自分ご褒美」は良く有りますよね。
新しいウェアや靴を新調することなどは、海馬からのアプローチにもつながりやる気がアップします。

前頭葉からのアプローチ

前頭葉からのアプローチは、思い込みを行うことによって演じ切る手法です。
私は「良い女」。だから自己管理もしっかりできていてウォーキングももちろん継続できます。
できる女なのだから、出来て当たり前と思いこむ手法です。

狙いは「習慣化」

これら4つの手法を組み合わせて、狙うのは習慣化です。

習慣化は面倒なこともマンネリ化して慣れさせてしまいます。

仕事や家事などで「えっ?こんな面倒なこと毎回やってたの? こうやれば、ほら、簡単に」ってこと経験ありますよね。
でも、毎日やってたから、それが当たり前になってそんなに苦になってなかったりします。
それどころか、簡単にやった場合「ここが雑になって良くない!」などと明らかに面倒な方を擁護したりするときもあります。

習慣化というのはそれほど強力なものなのです。

 

やる気の維持と習慣化

やる気の維持の肝は「習慣化」です。

無意識に行えるようになるのがベストです。

そこにたどり着くまでにとにかく、脳の飽きを言いくるめてしまいましょう。

「やる気スイッチ」は皆さんの脳の中にある淡蒼球や線条体が持っています。
淡蒼球や線条体に直接働きかけることはできませんが、4つのアプローチで働きかけを行うます。

うまく働きかけることで「習慣化」を手に入れ、報酬・リターンを手にすることができます。

やる気スイッチ! やる気は刺激が必要!

やる気は刺激が必要!

まず、モチベーションを上げるには刺激が必要です。

ここで言う刺激とは、脳を働かせる行動を起こすことです。

体が何もしていな状態は脳にとっては脳内の情報整理を行う方に活動を取られています。
一方、運動なり仕事なり、何かに集中している時は、そのことを上手くこなそうと脳は頑張ります。

やる気の無い状態の時は、脳が脳内情報整理を行っているため、ボーっとしていてもやる気は出ません。

ボーっとしている時の脳は

ボーっとしているとは、なんらかの思考や関心や注意を伴わない、ぼんやりと安静状態にある時を言います。

ちゃんと働いていることもある

その状態の脳の血流量の変化を可視化するfMRIを用いると、ボーっとしている時のみに活動が活発になる脳の領域が複数存在し、互いに同期することが明らかになっています。
この時の脳の活動をデフォルトモードネットワーク(DMN)と呼ばれています。
自己認識、見当識、および記憶に関わる基本的な役割があると考えられています。

心の旅に出ていることもある

一方、DMNは「心がさまよっているときに働く回路」として知られています。
これは、心が外側に向かっておらず、内向きになっている状態と考える専門家も居るそうです。
実際、DMNに関係する部位の中でも、特に後帯状皮質は、「自己へのとらわれ」に関わるとされています。

ボーっとすることは必要、でもね・・・

適度にボーっとすることは脳内の情報整理を行うことからも必要なことです。

しかし、心の旅に出ていると、無駄ではないのかもしれませんが、有効的に使っていない状態とも言えます。
人の脳は、なんと1日のおよそ半分以上を心の旅に出ていると言われています。

それからボーっとすることで体は休まりますが、脳はそれなりにしっかり活動しています。
ですから、長期間ボーっとしても脳の休息にはなりません。
ボーっとすることに近い動作に瞑想があります。

瞑想について

みなさんも瞑想と言う言葉をご存知と思います。
瞑想とは「心を鎮めて自身と向き合い、今の自身の心がどう感じているか知ること」です。

瞑想を行うことにより、深く自分を見つめ直すことができます。
また、あなたの頭の中に駆け巡る雑念や日常のストレスがあることに気がつきます。
普段なら素通りしてしまう雑念や感情があることを知り、あなた自身に芽生えている不安やストレスを客観的に見ることができるでしょう。

今、瞑想やマインドフルネス瞑想は、Google社やFacebook社をはじめとし、世界中の企業で取り入れられています。

瞑想は長時間でなく1分でも効果的と言われています。
もし、考えに行き詰った時は瞑想(ボーっと)を行って脳内を整理してみてください。
良いアイデアや気分転換になると思います。

 

まずはボーっとするのを止める

ここではやる気だすことを考えるため、ボーっとすることの有効性は置いておいて、次に進みます。
そこでまずは脳に刺激を与えましょう。

脳への刺激の与え方

運動なり仕事なり、何かに集中している時は、そのことを上手くこなそうと脳は頑張ります。

要は何か集中している状態が良い刺激を脳に与えていると言えます。

では、いきなりトップギアまで集中できるかと言うとそうはいきませんね。
最初は低い状態から徐々にギアを上げて行くのが普通だと思われます。

 

最初の一歩は立ち上がることから

寒い日の朝はいつまで寝ていたいですよね?
そんな時、皆さんはどうやって行動を起こしますか?
私は寒いのを我慢して布団を出ます。
出るとしっかり目が覚めて、通勤支度を開始できます。

大掃除はどうですか?
これも面倒でなかなか取り掛かれませんね。
でも取り掛かると、あそこもここもと気になるところが出てきて、ついつい頑張っちゃいませんか?

他にも思い出せば、乗り気じゃなくてもやり掛けたら熱中してしまったという経験がいくつか出てくると思います。

そう、脳は刺激を受けないとやる気がでないことが多いんです。

やる気を出したければ、刺激を与えましょう。
そして最初はゴロゴロを止めて、動き出しましょう。

ウォーキングなら10分だけ、1,000歩だけのように、すぐに終われるから良いやと思わせ、やり始めたら30分、3,000歩とやる気のままに歩けば良いのです。

 

脳をだましてやる気を出す

先ほど、「ウォーキングなら10分だけ、1,000歩だけのように、すぐに終われるから良いやと思わせ、やり始めたら30分、3,000歩とやる気のままに歩けば良いのです。」と書きました。
頭の中で30分も歩くと、キツイなって思うかもしれません。
夏の蒸し暑い中を、冬の木枯らし吹きすさぶ中を・・・歩きたくありません。
そこで「すぐに済むから・・・ちょっとだけ歩こう!」と脳をだまして誘います。

歩き始めたらリターンを想像します。

体重60Kgの人が
10分間・時速4kmで歩くと31Kcal前後の消費があります。
20分間・時速4kmで歩くと62Kcal前後の消費があります。
30分間・時速4kmで歩くと94Kcal前後の消費があります。

そして、7200Kcalの消費で体重1kgを落とせます。
10分間・時速4kmで歩くと4.3g前後の脂肪を消費します。
20分間・時速4kmで歩くと8.6g前後の脂肪を消費します。
30分間・時速4kmで歩くと13.0g前後の脂肪を消費します。
60分間・時速4kmで歩くと26.0g前後の脂肪を消費します。
120分間・時速4kmで歩くと52.0g前後の脂肪を消費します。

1日30分のウォーキングを30日続けると
390gの脂肪を落とせます。

1日30分のウォーキングを1年間続けると
4.6Kgの脂肪を落とせます。

もっと大きく落としたいのなら、歩く時間を長く、歩くスピードを速くすれば良いです。
1日60分のウォーキングを30日続けると
780gの脂肪を落とせます。

1日60分のウォーキングを1年間続けると
9.2Kgの脂肪を落とせます。

9.2kg!!!

まぁ、毎日は歩けないのでそこそこの値に落ち着きますが、それでもすごいですね。

 

始めは気軽に始めたらリターンを想像

すぐに済むから・・・ちょっとだけ歩こう。

そこから、
もう少し歩いたら、体も締まってナイスバディに。
みんなに「痩せたね!」って言われる自分を想像して。

成果を思い描きながらやる気をアップ!

肝心なことは、「始めは気楽に」考えることです。

一度モチベーションが上がってこれば、あとはそれに任せるだけです。
次から次へと勝手な思いが膨れ上がりますから。

やり過ぎに注意

ただし、モチベーションが上がったからとやり過ぎは注意です。
脳は集中すると後先を見ずに熱中しがちです。
明日の体調を考え、無理をしないのも理性の役割です。

始めと終わりは理性でコントロールしましょう。

 

脳はだまされやすい

プラセボ効果(プラシーボ効果)と言う言葉をご存知だと思います。
偽薬効果とも呼ばれており、本来は薬効として効く成分のない薬(偽薬)を投与したにもかかわらず、病気が快方に向かい治癒することを言います。
そのメカニズムは未だもってわからないようですが、「薬を飲んだ。良くなるはずだ」の脳の勘違いからスタートしていることに間違いありません。

また、面白くないTV番組を見て笑えなくても、作り笑顔をしていると、だんだん本当に面白くなってくることもわかっています。

スポーツの試合の円陣を組むのも同じです。
「やるぞー!!」と言う気合を脳に植え付けると、なぜか燃えてきます。

やる気はこのだまされやすい脳を上手く騙すのがコツです。

 

いくら待ってもやる気は出てこない

脳がボーっとしている時は、いくら待ってもやる気はなかなか起きません。

そこで、とにかく「ボッーっと」を止めましょう。

簡単な行動に移りましょう。

座っていたのならまずは立つ。

立てたのならウォーキングならウォーキングできる格好に着替える。
仕事や勉強なら机の前に座り、本を開く。

そこまで来たら、少しだけ・ちょっとだけやってみようと、自分に言い聞かせる。

やり始めたら嫌になるまでもう少しやってみようかなと思う。
リターンを想像してみる。

これで集中が開始出来たら「やる気スイッチ ON!」ってことです。

やる気スイッチ! 人は慣れる生き物

人は慣れる生き物

多くの人は新しいことに関してはとても関心が高く、意欲的に取り組むことが出ます。
しかし、同じことを繰り返していると飽きてしまうことも良くあります。

それは人が物事に慣れてしまう生き物なのだからだそうです。

 

慣れてしまうとは

ここで言う慣れてしまうとは、「飽きてしまう」のとその先の「習慣になる」の2つが有ります。
ウォーキングを例に考えてみましょう。

ウォーキングの三日坊主

  1. 最初は健康を手に入れられると思うとワクワクするし、なんだか楽しい
  2. 同じコースを歩いていると見慣れた風景に新鮮さが失われそんなに楽しくない、でも健康へのメリットがあるので続けられる
  3. 忙しくてウォーキングの時間が取れない、雨が降って歩けない、少し体調が悪い辛い、ウォーキングを休む理由に目が行くようになる
  4. 休む理由がウォーキングのメリットを越える。ウォーキングを休む
  5. 休んだ方が時間を有効に使えた、楽しく過ごせた、辛くなかった
  6. やらなくても良いかなと思えた、ついには止めてしまう

ウォーキングが習慣になる

  1. 最初は健康を手に入れられると思うとワクワクするし、なんだか楽しい
  2. 同じコースを歩いていると見慣れた風景に新鮮さが失われそんなに楽しくない、でも健康へのメリットがあるので続けられる
  3. 忙しくてウォーキングの時間が取れない、雨が降って歩けない、少し体調が悪い辛い、ウォーキングを休む理由に目が行くようになる
  4. 歩くことによる体や気持ちの変化を感じる。体が引き締まる、体重が減った、よく眠れる、スッキリする、褒められた。
  5. 休む理由よりウォーキングのメリットの方が大きい。ウォーキングを休む日もあるが続けている。
  6. ウォーキングを続けたことでより大きなリターンを手に入れている実感を得る。
  7. 自身の生活の中に上手く取り込むことに成功する
  8. やらないと気分が良くない(気分が悪くなる)ところまでくると大成功です!

どちらもスタートは同じです。
ただ、途中で面倒くささよりメリットを大きく実感できるところまで、たどり着けたかどうかが分かれ道になります。

人によっては飽きっぽさも異なるため、三日坊主になりやすい人も居れば、なりにくい人も居ます。
しかしその差はあれども人は飽きる生き物です。

慣れるのや飽きるのは良くないことと思いがちですが、生きていくためには大切なことなのです。

なぜ慣れる(飽きる)?

人だけでなく知能を持つ生物であれば、異なる環境に移されたとき、身を守るために周りに適応しようとします。

例えば、

始めて幼稚園や保育園に行った子供は、親から引き離されることを嫌がります。
でも、しばらく通っていると、園の楽しさがわかると共に、引き離される不安がマヒ(慣れ)し平気になります。

新卒の学生が就職して激混みの満員電車に辟易します。
でもやはり、乗り慣れてくると満員電車の中での過ごし方を見つけられます。

家族の死に対してもいつまでも悲しみに暮れてばかりでは生活できません。
居ない現実を受け入れ(慣れ)て先に進むことができます。

このように生きるために慣れる必要があるため、人は慣れると言われています。

 

慣れを味方に付ける

無意識に行われる「慣れ」や「飽き」に対して対策はありません。

無意識に行われる「慣れ」や「飽き」の多くは、無意識に上手く生きて行ける方に進む・楽な方に逃げているとも考えられます。
上手く生きて行ける方に進むのは、そのままスルーで良いと思います。
問題は楽な方に逃げている場合に、「良いのか悪いのか」を、理性で判断するしかありません。

判断は意識的に行う必要があるので、常に無意識に行われる「飽き」に対して意識を持ちましょう。
止めたいなぁって感じたら、「あっ、無意識が楽に逃げる方に向かわせてる!」と考えましょう。

判断した上で悪い飽きを乗り越え習慣にする、慣れを味方に付けることが大切です。

悪い飽きを乗り越え習慣にする考え方を以降に紹介します。
参考にして頂けると幸いです。

 

慣れと大きな代償

また一般的に、大きな代償(時間・苦痛)を伴うものほど習慣にすることは難しいです。
ほんの数秒で簡単に済むことの方が習慣化しやすいです。

しかし大きな代償を伴うものを習慣にすると得られるリターン・メリットも大きいのが一般的です。

ダイエットのためのウォーキングなら、どの程度の代償(時間・苦痛)なら習慣化できるかを考える必要があります。
最初は1,000歩ほど歩くことから習慣化しやすいのか、それともダイエットの成功として痩せられる実感を早く得た方が習慣化しやすいのか、自身の性格を考える必要があります。

あの手この手で『無意識の「飽き」楽な方に逃げている』のを防止しましょう。

ダイエットとその場ジョギング

ダイエットとその場ジョギング

ダイエットには有酸素運動が良いと言われています。
有酸素運動時には脂肪を分解しエネルギーとて利用するので、脂肪を燃やして落とすことができるからです。

有酸素運動の代表にはウォーキングが有ります。
その他、ジョギングやサイクリング、ハイキング、水泳などなど。
どの有酸素運動をしてもダイエットになりますが、手軽さで言えば「ウォーキング」と「その場ジョギング」にかなうものはありません。

その場ジョギングはとても手軽なので、是非ともダイエットの運動の一つとして活用して欲しいです。

その場ジョギングとは?

その場ジョギングとは、「その場で前に進まず主につま先で足踏み」をする運動方法のことです。
通常のジョギングはかかとから着地してつま先で前に踏み出します。その場ジョギングはつま先で着地してそのままつま先で跳ねるように上に飛び足踏みをします。
ジョギングしている時、信号につかまりその場で軽く足踏みをした記憶は有りませんか?もしくはそのような人を見た記憶は有りませんか?その場で軽く足踏みをするのが「その場ジョギング」です。

その場ジョギングは、エアジョギングやエアランニングとも呼ばれています。

 

その場ジョギングの良いところ

小さなスペースでできる

この「その場ジョギング」の良いところは、何と言っても小さなスペースが有ればできることです。
実際は座布団1枚のスペースも有ればできるのですが、ふらついたりしますから実際にはもう少し必要です。
また、少しずつ前に進む方が安定すると思いますので、6畳~8畳のスペースが有れば完璧です。

自分の好きな負荷に変えられる

太ももの上げ方や足の上げ下げの速さを変えることで、簡単に負荷を変えることができます。
家の中ですから急な坂が有るわけでも、他の障害が有るわけでもないので、完全に自分のペースで行えます。

雨降りでも積雪してもできる

雨降りでも積雪しても家の中ですから、その場ジョギングでカロリーを消費できます。
天候に左右されないのは継続を考えると大きいですね。

その他

足や体に痛みを感じたら、即座に中断できる。
飲み物等を、家に忘れる心配がない。
気になるテレビや録画を、見ながらできる。
シャワーをすぐに浴びられる。
真夜中でも家の中なので、暴漢を怖がる必要が無い。
などなど

ダイエットのための運動には負荷はとても大切です。

その場ジョギングは大きく速く足を上げ下げすれば、無酸素運動になるくらいのパワーが必要になります。
一方、足を少ししか上げずゆっくりその場で小刻みに左右の足を地面に付ける程度であればウォーキングと変わらない程度の負荷にあります。

日頃からウォーキングしている人ならば、ウォーキングと同じ時間その場ジョギングができる程度の負荷にすると良いと思います。
ただ、使う筋肉が異なるため、最初はきつく感じると思います。
徐々にその場ジョギングの体を作るつもりで始めてください。

運動を始めるための体つくりにはもってこいの運動です。

 

その場ジョギングの消費カロリー

気になる消費カロリーですが、ウォーキングと同じ負荷にすれば、ほぼ同じ消費カロリーになります。
一部のWebサイトではかなりカロリーを高消費するように書かれていますが、疑問に思います。

運動の強度はMetsで良く表されます。

2011年に出されたMets表で確認すると以下のようになっています。

ジョギング:その場で・・・は、Mets 8.0 !!と。
時速8.0Kmのランニングに肉薄していますし、時速6.4㎞のランニングよりも2Metsも強度が高いので、ここで言うその場でジョギングは腿上げをかなり上の方まで上げていると想像できます。

同じ表でウォーキングを確認してみます。

普通のほどほどの速さで歩くとMets 3.5です。

その場ジョギングのMets 8.0 は時速8.0Kmで歩くのに肉薄しています。
時速8.0 Kmは1分間で133mも歩く必要があり、考えられない程のスピードです。

ちなみに、普通に歩くと時速4kmくらいですが、競歩は時速12~15kmで競技します。
競歩の選手はすごいですね。

 

他のWebサイトでは、その場ジョギングの運動量を単にMets表の8.0から計算しているものが多いです。
40Kgの人の消費カロリーが147KcalとなっているWebサイトは以下のように算出しています。
計算式は、消費カロリー(kcal)=1.05×メッツ×時間×体重(kg)ですので、
40㎏の人が30分運動したなら、1.05×8×0.5×40=168Kcal
更に安静時の消費カロリーを引くと純粋な運動消費カロリーがでます。
40㎏の人が30分生きてるだけで、1.05×1×0.5×40=21Kcal
よって、168Kcal - 21Kcal=147Kcal

ですが、上で説明した通り、ジョギング中に信号につかまってその場で足踏みをしただけの運動に時速8.0Kmで歩くほどの負担は掛からないですよね?

多分ですが感覚的に
軽く行うとMets 3.0
激しく(息が切れる)行うとMets 5.0
の間になると思います。

あくまで参考地ですが、30分当たりの消費カロリーの計算結果を表にします。

 

ダイエットを目的としたその場ジョギングの良いやり方

では、ダイエットを目的とした場合のその場ジョギングについて考えていきます。

まず皆さんご存知のとおり、どんな運動も「無酸素運動、有酸素運動、脂肪燃焼(運動)」の中に入ります。
強度はもちろん「無酸素運動」>「有酸素運動」>「脂肪燃焼(運動)」となります。

脂肪燃焼(運動)とは、安静時に比べたら少し体を動かす程度の運動です。
非常にゆっくり歩くとか、座りながら軽作業を行うとか、息がほとんど切れない状態の運動を思ってください。

運動強度と脂肪燃焼

では、どんな運動強度で運動を行うと脂肪は燃えやすいのか?
下のように考えられています。

安静時は、脂肪がより多く使われています。だけどそもそも消費量が少ないです。
運動強度の低い運動時は、脂肪とグリコーゲンの燃焼比率は1:1で使われると考えられています。消費量も多めで長く続けられます。
運動強度の高い運動時は、無酸素運動も入ってくるため、脂肪よりもグリコーゲンの燃焼比率が高まります。消費量は多めでも短期間しか続けられません。

強度の高い運動時などは無酸素運動も入ってくるため、グリコーゲンが優先的に使われます。
それは血糖やグリコーゲンは体としては利用しやすいですが貯蔵量は多くはないので、いざと言う時に使うために安静時などでは脂肪を使うようになっています。
ちなみに、脂肪を燃やすためには糖(グリコーゲンなど)が必要になるので、グリコーゲンなど糖が無い状態では脂肪も使われにくいのでパワーがでません。

このことから、脂肪を効率的に燃やしたいのであれば、なるべく脂肪とグリコーゲンの燃焼比率は1:1に近い割合で長い時間運動するのがベストです。

 

ダイエットとその場ジョギング

有酸素運動の範囲内で、楽しく長く続けられるのがどうやら一番手っ取り早く脂肪を消費できそうです。
ですからその場ジョギングにおいても長い時間続けられる程度のその場所銀を行い、疲れてきたら少しペースを落とすぐらいが良いと思われます。
個人差もあるので、ペース配分は各自で考える必要があります。
その場ジョギングなど楽なように思われるかも知れませんが、脚(足)への負担は相当です。

特に甲や指の付け根、着地時の足の裏など、疲労が溜まりやすいです。
毎日、長時間を行う時は故障や痛みを起こすこともあるため、痛みを感じたらすぐに止め、様子を見るようにしましょう。
無理は禁物ですよ。

 

その場ジョギングをトレーニングに組み入れて上手に健康維持やダイエットを行いましょうね。

以上、「ダイエットとその場ジョギング」でした。

有酸素運動とは?

有酸素運動とは?

有酸素運動とは、酸素と脂肪と糖類を消費してエネルギーを作り、体を動かす運動のことです。
また「身体にある程度以上の負荷をかけながら、ある程度長い間継続して行う運動」はすべて有酸素運動とみなすことができます。

日常動作のほぼ全ての運動は有酸素運動と考えても良いと思います。
ここではダイエット視点からみた「有酸素運動」を考えていきます。

 

有酸素運動はダイエットに良いの?

有酸素運動は体内の脂肪を消費してエネルギーにします。
脂肪を落とすためのダイエットであれば、脂肪を消費する有酸素運動は効果的です。

 

なぜ有酸素運動と呼ばれるの?

有酸素運動では、前述のように体内の糖質脂肪酸素とともに消費されます。
そして有酸素運動はエネルギーを生み出す時に「好気性代謝」を使います。
好気性代謝を行うためには「酸素」必ず必要です。
なので「酸素」が有るときに行うことができる「運動」なので、「有酸素運動」と呼ばれます。

これに対して「酸素」がない状態で行う「運動」を「無酸素運動」と呼びます。
酸素の有無でエネルギーを作る時に異なる代謝経路を使います。

好気性代謝とは

有酸素運動の重要なキーワードに「好気性代謝」があります。
漢字だけを見ると、とても小難しそうですね・・・。
しかし、概要だけでも知っておくととても便利です。

例えば、「20分以上運動をしないと脂肪燃焼されない」などはまことしやかに語られていますが、真実はどうなのでしょうか?
好気性代謝の概要を知れば、おのずと答えが出ますよ。

少し難しいことを書きますが、頑張って読んでくださいね。

好気性代謝とは、グリコーゲン、グルコース、乳酸あるいは脂肪からアセチルCoAが生成し、ミトコンドリア内でアセチルCoAが酸素を消費する反応を含んだ化学反応を経てグルコース1分子あたり38分子のATPが生成されてエネルギーを発生させる一連の化学反応です。
好気性代謝は安静時でも運動をしていても、体内に酸素がある限り活動していると考えられています。これは寝転がっていても、家事をしていても、テレビを見ていても必ず行われます。
なぜなら、心臓や肺・その他の臓器を動かすのに必ずATPと言うエネルギーが常に必要だからです。

そして運動を行うと、その運動負荷が上がるにつれて好気性代謝がより活発に行われて酸素の消費量も多くなります。
その時、人は呼吸を速く大きくして酸素の摂取量を増やします。
大きな呼吸を行い多くの酸素を取り込みながら運動を行うと、より脂肪を多く消費できます。

逆に少しの間でも体を動かせば、酸素の取り込みも大きくなり脂肪の消費もそれに合わせて大きくなります。
これはリアルタイムで消費されます。

どのような運動でも運動直後から好気性代謝は活発になり、酸素・脂肪・糖質を消費します。
血中の脂肪酸を使い切るまで内臓脂肪や皮下脂肪が使われないと言う人も居ますが、血中の脂肪酸の濃度が落ちてくると内臓脂肪や皮下脂肪から脂肪が分解され血中に送られます。
結果、食事から4時間~6時間程度経ち、食事から直接脂肪酸補給が行われない時間帯であれば、体内の脂肪が使われることになります。

好気性代謝の限界

しかし、肺で酸素の取り入れるにも限界があります。
激しい運動を行うために大量のエネルギーが必要となっても酸素不足で好気性代謝では必要なエネルギーの全てを作り出せなくなります。
酸素不足になる限界一歩手前が一番脂肪を消費できる状態とも言えます。

この酸素不足に陥ると「無酸素運動・嫌気性代謝」に入ることになります。

この酸素不足に陥る運動強度には個人差は見られるものの、どんな人でも運動強度を上げ続ければいずれ限界に達し酸素不足になります。
このような嫌気性代謝が必要になる運動強度の値を嫌気性代謝閾値と呼びます。
嫌気性代謝閾値は運動能力の指標の一つとされています。

 

ダイエットに良い有酸素運動とは

有酸素運動でも無酸素運動でも、体内のエネルギーを使うので、ゴロゴロしているよりは確実にダイエットになります。

ただし無酸素運動は運動時間がどうしても短くなります。
短時間で一気にエネルギーを消費しても、地道でも長い間運動が出来る有酸素運動のエネルギー消費よりも、消費が少なくなってしまいます。

なので、長い時間運動ができる有酸素運動の方がダイエットに向いています。

先ほど、「酸素不足になる限界一歩手前が一番脂肪を消費できる状態とも言えます」と書きました。
ダイエットに一番効率良い有酸素運動とは、その状態です。

効率よく脂肪を燃焼させるには適度な運動強度で行うことが必要です。
ですが、限界一歩手前は相当にきつい運動になります。

きつい運動が続くと、
・精神的にもつらく長い期間続けられない
・運動強度が高いため、身体にかかる負荷も大きく怪我をしやすくなる
・他の人と運動強度が異なるため、一緒に行うことが難しい
・などなど

ダイエットに良い有酸素運動とは、「効率の良い運動」ではなく、「時間いっぱい楽しく体を動かせる限界の運動」ではないでしょうか?
長い時間・長い期間・楽しく継続できることだと考えます。

 

以上、ダイエットから見た「有酸素運動とは」でした。